30代は大人の10代

多感な30代が空想や妄想を棚卸しするためのブログ

ストーリー戦略がどれだけ重要なのかを思い知らされた「東京都知事選挙、小池百合子氏の当選」。

東京都知事選挙小池百合子氏が当選し、女性初の都知事が確定した。

 

様々なメディアが今回の選挙で最も焦点を当てていたのは、候補者の落ち度と取れるような過去の出来事や、政策の曖昧さ・準備不足に対するものであったと思う。

だが、政治には全然詳しくない私の印象に残ったのは小池百合子氏が立候補に至るストーリーであった。

 

党の推薦を得られない中でも崖から飛び降りる覚悟で立候補し、都議会の闇を暴く。自民党に所属しながら、反自民党と捉えられる戦いを行っている。これは小泉純一郎氏が「自民党をぶっ壊す」をスローガンに政局を勝ち抜いた時と似たストーリーであるのは報道にもあったし、多くの都民が共通点を感じていただろう。

反対に対立候補には「党の傀儡」、「過去の政策との矛盾」、「野党擁立劇のドタバタ」などのイメージがつきまとい、ストーリー性など希薄であったように思われる。

結果として、小池百合子氏の当選を推し進めたのは自民党自身であり、対立候補とその支援者であった。

 

多くの一般市民には候補者の正しい評価なんて当然できないし、日常的に都庁の中長期計画を確認しているなんてことは稀だろうから政策の評価も困難である。だが、投票所で誰かしら候補者の名前を書かなければならない状況になると、自分で自分自身を納得させうる理由・意味を必要とする。そんな時、候補者のストーリーが明確になっているだけで投票の意味を見出しやすくなり、大衆的な投票傾向が生じるのだろう。

 

とは言え、ここまで書いておきながら、あえて元も子もない仮説を最後に述べるが、都民が東京都知事に求める一番の要素は「総合的なビジュアルイメージ」が本音なんではないか、と思っている。

 

物語戦略

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